「ぺろちゃんが寂しい思いをしないように、留守番は最小限にしなきゃ。」
「ぺろちゃんがストレスを溜めないように、運動はしっかりしなきゃ。」
私はぺろちゃんの期待に応えすぎていたと思うし、そのせいでぺろちゃんは少しわがままな犬になってしまったと思う。
私は、親の期待に応えなければ自分の存在価値を認めてもらえないという環境で育った、いわゆるアダルトチルドレンだ。
そのため、他人の顔色をうかがい、他人の期待に応えるために自己犠牲をすることが私の癖だった。
それはぺろちゃんを飼う前には自覚していたことなのに、無意識にぺろちゃんに対してそのような態度をとってしまっていた。
ぺろちゃんを飼い始めて、ほとんど外出できなくなった(心理的に)し、ジャックラッセルテリアは運動量が必要な犬種だからと散歩や遊びに多くの時間を費やした。
もちろん悪いことばかりではなかったし、子犬期の愛着形成には必要な時間もあったとも思う。
でも、期待に応えれば応えるほど、犬は成功体験として学習し、要求はエスカレートしていくもの。
ぺろちゃんは分離不安気味だし、退屈になるとソワソワしたりイタズラをしたりする。
私は先回りしたつもりでおやつを用意したりボールを差し出したりするのだけど、それは意思疎通できているわけではなく、私が「期待に応えなきゃ」という強迫観念でやってることなのかもしれない、とふと思った。
ぺろちゃんはそれをわかっているから、ここぞというタイミングで私を試すのだ。
それでもなんとか暮らせているのは、ぺろちゃんが仕方なく私に合わせてくれているところがあるのだろう。
私は中学時代に飼っていた犬に対する後悔から、ぺろちゃんは絶対に幸せにすると思ってきたけど、ぺろちゃんにメンタルを育てられているのは私のほうだと思う。
おやつがなくても外出はしていいし、ぺろちゃんは少しの退屈ならちゃんと待てる犬だ。
私が期待に応えなくても、ぺろちゃんはずっと私のそばにいるじゃないか。
信頼してほしいなら、信頼しなければ。
そうすると決めた自分の判断を信じなければ。
それができなかったから、私の親は私に逃げられたのだ。
犬のしつけについてたくさん勉強して実践していても、肝心のメンタルが弱いなら、犬はそれを見抜いて行動する。
それくらい、犬って賢くてしたたかな動物だ。
そんな動物と一緒に暮らすのだから、飼い主はせめて自分の飼い犬よりは賢くしたたかであらねばなるまい。
テキトーに暮らすのならともかく、幸せに暮らしたいのならばなおさらだ。
ぺろちゃんが私を試すことを諦めるほど、賢くてしたたかな飼い主を目指していきたい。

