ぺろちゃんをお迎え後に体調不良にしてしまったために、3回目の混合ワクチン接種が先延ばしになってしまった。
お散歩デビューできるのは、さらにその2週間後。
すでに生後4ヶ月を迎えていたぺろちゃんに、私は手を焼いた。
ジャックラッセルテリアは「スポーツカーのエンジンを積んだ軽自動車」とか「運動量は大型犬並み」とか言われる犬種である。
怒られるかもしれないが、ぺろちゃんは見た目で選んだ(よく言えば運命を感じた…みたいな)ため、ジャックラッセルテリアがどんな犬種かも知らないで、飼い始めたのである。
ただ、どんなサイトを見てもジャックラッセルテリアに関する脅し文句がたくさん書いてあるので、それなりに覚悟はしていた。
……が、やっぱり大変だった。
「最初はサークルで環境に慣らしましょう」と書いてある本を参考にサークルに入れるのだが、脱走を試みてよじ登る・掘る・かじる・体当たりするなどで、四六時中バタバタ暴れる。
トイレトレーを引きずりまわし、反動でトレーが開けばペットシーツをビリビリに破る。

子犬なのに全然寝ないし、ずっと室内なので体力も消耗しないのである。
「そのうち何かを誤飲してしまうのではないか」と見張っていると、ぺろちゃんは私に期待してずっと暴れてしまう。
だからと言って外出しても、気が気じゃない。
どういう過ごし方が正解だったか、いまだによく分からないけど、自分自身が「よく死なずにここまで生きてきたな」と思うのと同じように、犬も長生きするには運要素もあるだろうし、ある程度は割り切りも必要なのかもしれない。
……けど、できるだけ運に任せず、ちゃんとした管理の元で長生きさせてあげたいものだ。
タオルの引っぱりっこ、コマンドの練習、掃除機と追いかけっこ、木のおもちゃを咬んで遊ぶ、ボール遊びなどなど……考えつくことは全部やった。
結局つきっきりになってノイローゼにもなりかけたけど、子なしの私にとっては擬似的な母親体験だし、精神的に成長するきっかけを与えてもらったと思う。
それでも、室内で過ごすには限界があるため、抱っこ散歩をしてみたら、これがすごくよかったので、子犬を迎えた人にはぜひおすすめしたい。
空気の温度、天気、風、音、におい……
漫然と外出している人間にはわからないことだけど、家の外で得られる情報は、室内の比ではないのだろう。
外に出るだけでも子犬には大きな刺激のようで、家に帰ると少し疲れるのか、落ち着いてくれた。(すぐに復活するのがジャックラッセルテリアだが)
ある夜は皆既月食が見られるということで、夫と抱っこ散歩で見に出かけた。

なんてことのない時間だったけど、この時以来、天気予報で「明日は皆既月食です」なんて聞くと、この夜のことを思い出すから、やっぱり特別な時間だったんだなと思う。
抱っこ散歩は他にもいいことがあって、ご近所付き合いのなかった私に、抱っこ散歩で出会ったご近所さんが声をかけてくれたことで交流が生まれた。
このご近所さんは引っ越しで街を離れる時まで、出会うたびにぺろちゃんに声をかけてくださり、しつけに参っていた私も精神的にずいぶんと助けられた。
そんなこんなで、散歩デビューまでは私にとって長〜〜〜〜〜い日々だったけど、とても有意義な時間になった。

