6. 子犬期の甘噛みをどう乗り越えるか

子犬期につらかったことの1つに「甘噛み」がある。

ぺろちゃんがわが家にやってきた翌日から、甘噛みとの戦いは始まった。


散歩デビューまでは特に大変で、ぺろちゃんは室内のありとあらゆる「でっぱり」を片っ端からかじった。

毛布の端、ジョイントマット、クレート、ワイヤーネット、いすの脚、部屋の敷居、クッションやソファーの角などなど……

子犬を飼うなら、室内にあるものは全部かじられると思ったほうがいい

そんなことを想定できる飼育初心者は、果たしてどのくらいいるのだろう……。

私は専業主婦なので、ぺろちゃんにつきっきりでお世話をしていたのだが、子犬は1日平均18〜20時間寝るという一般論が嘘だと思うほど、ぺろちゃんは日中ほとんど起きていた。

いつ誤飲してもおかしくない。

子犬なんか気を緩めたらすぐに死んじゃう動物なんだと思ったし、ずっと見張り続けていた私は、育犬ノイローゼになった。

最終的には、サークル内から毛布もクッションも取り上げて、トイレとクレート以外に何も置かないことにした。

(エアコンは24時間稼働、いつもトイレトレーの上で寝るため、問題ではないと判断した。)


ジャックラッセルテリアならではのあり余る体力と、歯の生え変わりのむず痒さをいかに発散させるか、試行錯誤の毎日。

私は以下のようなことをして過ごした。

  • タオルの引っぱりっこ
  • 掃除機(勝手に襲ってくる)
  • ぬいぐるみ(勝手に襲って遊ぶ)
  • ボール遊び
  • 木のおもちゃを噛ませる
  • コマンドを教える

生後半年後くらいに鹿の角を与えていた時期もあるが、後に獣医さんから「歯が折れるリスクがあるため、ハサミで切れないような固いものは与えないように」と注意されたため、与えなくなった。

(ただ、めちゃくちゃ喜んでかじっていたし、とても助かったのは事実だ。)

散歩デビューしてからは、家の中で暴れることが減ったため、散歩でしっかり歩くことを心がけた。


発散させること以外に「噛んだら注意すること」「かまいすぎないこと」「動きを制限すること」も大切だ。

「注意すること」の目的は、「人やものを噛むのはよくないことだ」と教えること。

私が噛まれた時には「イタッ!」と言ってその場を離れる、もしくは、痛いのを我慢して噛まれたまま手を口に押し込むことをしていた。

すぐにはわかってもらえなかったが、そのうち加減して噛むようになり、最終的には私のことは噛まなくなった。(夫は今でもたまに甘噛みされている。)

「かまいすぎないこと」だが、同じリビングで過ごしているとぺろちゃんはバタバタと暴れて、常にこちらの反応を期待する。

それに負けてかまってしまえば、「バタバタすればかまってもらえる」と学習し、より一層落ち着くことができない犬になってしまう。

なので、あえて無視したり、部屋を離れたりすることで「今は遊ばない時間だ」と暗に伝えることが必要なのだ。

私はこれが苦手で、ずっと気にしてしまったことも育犬ノイローゼにつながったと思う。

そして「動きを制限すること」とは、具体的に「マズルコントロール」や「ホールドスチール」のこと。

特にジャックラッセルテリアは、一瞬で興奮度がマックスになってしまうような犬種だから、落ち着かせるためのルーティンはやっておくに越したことはない。

飼育本を見ながら見よう見まねではあったし、諦めの悪いぺろちゃんはなかなか落ち着かなかったけど、日毎に落ち着くまでの時間は短くなったと思う。

ゆっくりと全身を撫でて、落ち着いてきたらトリーツをあげるなどして、お仕置き的なイメージにならないようにすることが大切だ。


大変な子犬期だったが、1歳になる頃には甘噛みがおさまり、ぺろちゃんとの暮らしがやっと楽しいと思えるようになった。

成犬になった今でも、時々赤ちゃん返りして夫を甘噛みするけど、抱きかかえてなでなでしている夫はとても幸せそうで、ぺろちゃんもまんざらでもなさそうだ。

頑張って乗り越えたからこそ、得られた幸せである。