散歩で出会う飼い主さんと会話をすることは少なくありません。
この記事では、そんな中で「子犬をどこで買いましたか?」という質問を受けてモヤモヤしたことと、それに対する考察を書いてみたいと思います。
【それを聞いてどうするんだろう】
私が「ペットショップで買いましたよ」
と答えると、必ず微妙な空気になる。
それは、その人が
パピーミルなどひどい環境で繁殖させられた犬がペットショップで売買されている。
その問題に加えて、飼育放棄された犬など、里親を求めている犬が日本中にいる。
それなのに、あなたはペットショップから犬を買ったの?
という考えを持っているからなのかな、と。
もちろん、動物愛護の精神からかけ離れて金儲けするようなやり方は容認できません。
でも、それをすでに犬を飼ってる人に問うても、何の問題解決にもなりません。
ペットショップでの不買を訴える意見もSNSで目にしますが、それで売れ残る子たちが処分されることはどう思うんだろう?とも思うし。
それよりも、地元の国会議員により厳しい法改正と監視体制の徹底を訴えるとか、問題提起のための広告を作るとか、そうしたほうがよっぽど意味があると思うんですよね。
むしろ、そんな質問を初対面の飼い主に投げかけることで、飼い主同士を分断してしまいかねないと思うのです。
【ペットショップは悪でブリーダーは善か】
ネットを見てみると、そんな飼い主同士の分断がすでに起きていました。
犬を愛する者同士でいがみ合うよりも、ペット業界についての問題をみんなで共有し、明るい未来を描いていくということにはならんのかな、とモヤモヤ。
特に、ペットショップは悪でブリーダーは善とする主張があちこちで見られました。
ただ、一般消費者からしてブリーダーが信用できるかと言ったら、微妙だと思います。
結局、個人のブリーダーよりもお店のほうが安心できるし便利だし、っていうのが正直なところ。
だったら、ブリーダーの情報をもっとオープンにして、ペットショップで買うよりもブリーダーで買うほうが安心だし信用できる、という状態を作らないと、ペットショップを利用する人は減らないと思います。
ただ、すべてをオープンにできるブリーダーだけではないでしょうから、ペット業界の闇が社会的に取り上げられるようになってきたのに解決には至ってない、というのはそういうことなんじゃないでしょうか。
一方で、ペットショップの側も、悪質な業者と取引していることが明るみに出れば、社会的な信用を失うような時代になっていくんじゃないかな、と思います。
動物の仕入れに関して、業者間での監視体制がはたらくようにして、みんなで悪質な業者を市場から追い出していく努力はしてほしいですし、消費者に対しては、より透明性のある情報公開をしてほしいですね。
「子犬をどこで買いましたか」といちいち聞かれなくてもいい体制づくりを望みます。
【犬の幸せとは】

私が犬を飼い始めて、よく考えるのは「犬の幸せって一体なんだろう」ってこと。
家庭で飼われている犬のほとんどが人間に都合よく品種改良されてきた、いわば二次創作的な存在。
動物とは言っても、もはや自然に帰る場所はなく、人間に作られ続けることでしか生きていけないのでは、と思うのです。
でも、すべての犬が飼い犬になるわけじゃない。
見た目が悪い、障害がある、サイズが規格外、気性が荒いなど、いろんな理由で販売ルートに上がれない犬はたくさんいるでしょう。
ブリーダーから買おうが、ペットショップから買おうが、飼い主が自分の飼い犬を選んだその陰に、そういった犬たちの存在がある、ということです。
だから、販売ルートに上がれない犬たちをなくそうと思ったら、もう飼い犬という存在自体をなくさないといけないんじゃないか、とさえ思うんですよね……。
たくさんの犬の中から好きな犬を選びたいと思うのに、選ばれない犬の尊厳も守ってほしいと考えるんだから、自分も含めて人間って勝手だなぁとつくづく思います。
では、そんな勝手な人間が犬のためにできることとは。
自分の飼い犬を最後まで一生懸命育てる。
自分の目の前にある幸せが、あらゆる犠牲の元に成り立っていることに感謝する。
自己満足の領域かもしれません。
でも、私にできることはそれくらいだと思うので、私はせめてうちの子が幸せに生きられるように、一生懸命育てていこうと思います。