最初はかわいいと思っていた犬でも、言うことを聞いてくれずにイライラが募ると、犬を嫌いに感じてしまう人もいると思います。
私自身も、犬にイライラして嫌悪感を感じたことがあります。
この記事では、私がその時に何を考え、どう行動したかをご紹介します。
【犬を嫌いになっても私は飼い主】
私が犬に嫌悪感を感じたのは、生後7ヶ月のこと。
反抗期と言われる時期です。
「ダメ」と言うと逆ギレして噛みついてくる、散歩では引っぱりまくるし歩かない、今まではしなかった要求吠えもするように。
毎日毎日、しつけの本を読み漁り、ネットを検索しまくり、いろいろ試すけど、それでもダメで。
「こんなに頑張っているのに、どうしてわかってくれないんだろう」
と、やるせない思いを抱えていました。
「信頼関係が大切だ」なんて書いてあるけど、こんなんじゃ犬を信じようなんて気になれない。。。
SNSを検索すると、同じような悩みを吐露した人が
「あなたには飼い主の資格はない」
「すぐに里親を探すべきだ」
などと、責め立てられていました。
まるで正論のように見えるけど、飼い主が変わろうとする気持ちをくじいて保護犬にしてしまうことを助長するのではないか、と私はそれを見て不快に思いました。
聖人君子でもあるまいし、一時的に犬を嫌いになることだってあってもおかしくない。
夫にさえ「あ〜、今日のあの態度キライ。。」って思うことがあるのに。
でも、私が飼い主であることは、これまでもこの先もずっと変わらない。
少しでも状況をよくするために、やれることをやろうと思いました。
【なぜ嫌いと感じたか】
そもそも、なぜ大好きなはずの犬を嫌いになってしまったのか。
考えてみると、以下の2点でイライラを感じていることに気づきました。
1. 言うことを聞いてくれない
信頼関係ができていないから……と思いましたが、そもそも人間だって信頼関係は作ろうと思って作れるものじゃないんですよね。
犬と人間との信頼関係は、ごはん・安心な居場所・適度な運動や遊びを続けていれば、自然とできていくもの。
それにはやっぱり時間がかかるのです。
私自身は、信頼関係を築こうと焦って犬を過保護にしてしまい、結果的に犬をわがままに育ててしまっていました。
それでは、言うことを聞いてくれるはずがないですよね。
2. 犬に振り回されている
世の中の犬を飼っている人は、どう暮らしているんだろう……と思うほどに、私は自分の時間のほぼすべてを犬に捧げてしまっていました。
上に書いたように過保護にしすぎていたのでしょう、すっかり犬に振り回され、生活の主導権が犬にあるという状態になっていたのです。
犬が私にそうするように指図したわけでは、もちろんありません。
自分が勝手にそうしなければ、と思い込み、勝手に自分を追い込んでいました。
【自分の心をリセットし犬にある主導権を取り戻す方法】
そんな中、自分の心をリセットし、犬にある主導権を取り戻す方法があるのを知りました。
それが以下の内容です。
犬をサークルやケージに入れ、ごはん、水、トイレ、お散歩など必要最低限のお世話だけして、あとは目を合わさず、声もかけず、自分の日常生活を送ります。
1週間ほど、そんな生活を続け、その後はそれまでの生活に戻していきます。
これは「愛情遮断(注視遮断・干渉自制とも言う)」という方法です。
「犬を無気力にさせるやり方だ」と批判する人もいますが、犬を嫌いになって手放すことになるくらいなら、一時的に犬と距離を置いても自分の心を整えることは必要だと思いました。
(人間の子供のしつけとごっちゃにして考え、愛情遮断というネーミングからして悪い印象しか持たない人もいますが、私は犬のしつけと人間のしつけはまったく同じにはできない、と思っています。)

【実際に愛情遮断してみた結果】
私自身の心の変化
私自身、3日間ほど上の方法を行いました。
その結果、私には下のような心の変化がありました。
・犬がいても自分の時間を持つ生活をイメージできた
・犬にコントロールされる生活ではなく、自分が犬をコントロールすることをイメージできた
・犬に「今は落ち着いて過ごす時間だ」と教えることも必要だとわかった
急に時間ができて、ほっとできたこと、冷静になれたことはすごくよかったと思います。
犬をかわいがるあまり、自分が犬のペースにのまれていたということがよくわかりました。
「犬から離れる時間」は自分で作るものなんだ(当たり前かもやけど)ということがわかり、気が楽になりました。
また「自分は犬に教える立場なんだから、わがままはわがままだと教えていこう」と、改めて飼い主としての自覚を持つことができました。
3日しかできなかったのは、私がつまらなくなったのもあるし、「もう一度犬との関係を作り直せそうだ」と前向きな気持ちになれたからです。
犬について気づいたこと
いっぽうで、犬について以下のような気づきがありました。
・分離不安気味である
・かまってもらえないとわかると、おとなしく寝る
サークルに入れて無視をしていると、しばらく暴れたり鳴いたりしていたので、分離不安気味だとわかりました。
それでも放っておくとおとなしく寝るので、今までかまいすぎていたんだな〜、と反省。
今後、クレートトレーニングをしていこうと思いました。
心配していた「無気力になる」ということですが、まったくそんなことはありませんでした。
むしろ、今まで呼んでも来てくれなかったのが、犬から近づいてくれるようになったのがすごく嬉しかったです。
離れていたことで、犬が飼い主である私の必要性を感じるようになってくれたのかな、と思います。
そんな感じで、自分のこと・犬のことを冷静に考えることができ、改善の兆しが見えたことが私の自信につながりました。
その後は、問題行動があっても冷静に対処することを心がけるようにしたら、イライラしたり嫌悪感を抱いたりすることはぐっと減りました。
【犬と一緒に成長していこう】
以上のことから、私が犬を嫌いに感じてしまった経験は、自分を飼い主として成長させてくれるきっかけになりました。
どれだけ犬について知識を身につけていても、マニュアル通りにいかないことはたくさんあります。
初めて犬を飼うのに、最初から完璧にできる飼い主なんて、そういないです。
それに、犬のほうも飼い主の性格をある程度は把握していくものだと思うので、犬に対して無理して完璧な飼い主を演じることもないと思います。
犬と一緒に、自分も飼い主として成長していく、それでいいんじゃないでしょうか。
同じように苦しんでいる飼い主さんが、自信を持って、愛犬との暮らしを楽しむことができるよう応援しています。